2013年05月06日

教育がゼロになった国で見つけた夢 file.5(前編)

「肩たたき1000人達成!」
大学4年生の頃、路上で「肩たたき」の活動を続け、
たくさんの仲間を巻き込みながら驚愕の記録を達成した古市邦人さん。
学生時代はカンボジアに学校を建てるプロジェクトに参加し、募金を集めて、
カンボジアの子どもたちに「学べる喜び」という大きなプレゼントをもたらした。

教育企業で「子ども」と「先生」それぞれのサポートをおこないながら、
肩たたきの活動にくわえ、炊き出し、読書会、カウチサーフィン、
PTAでのセミナーなど多彩な活動をおこなっている。
彼のブログを読むと、時に感激のあまり声が出なくなってしまうほどだ。

カタタタキで世界を変える。


彼のエコソーシャルな活動は雑誌「ソトコト」2012年9月号でも
大々的に取り上げられた。
新しい肩たたき券とともに

そして、今彼は、世界と日本をつなぐ「次の目標」に向けて動き始めている。

就職活動で知り合った頃から、「人への思いやり」と
「人のためにどんどん挑戦したいという気持ち」が
言葉や表情ににじみ出ていて、尊敬を寄せていた彼。

「大海原のような視野と心の広さ」をどのように培ってきたのか、迫りたいと思う。

☆☆☆☆☆

ーー雑誌「ソトコト」では、海外からのバックパッカーを1日家に泊めて
異文化交流を楽しむ「カウチサーフィン」をしている様子が取り上げられていましたね。
「カウチサーフィン」では様々な国の人を泊めてきて、面白い出会いはありましたか?

古市(以下敬称略):色々な国の旅行者と会いましたが、
みんな「独自のこだわり」をもっているんです。
例えば、日本の「廃墟」が大好きなイギリス人がいて、
奈良ドリームランドの跡地の写真を見せてくれたことがありました。。
ヨーロッパの廃れた村の様相を呈していて、たしかに惹かれるものがありました。
日本って、軍艦島もあるし、廃墟マニアには「廃墟の聖地の1つ」みたいです。
人と会うと、視野が広がったり、自分の考えが深まったりするのが、好きですね。
いつか日本に面白いシェアハウスをつくりたいなぁと考えています。

ーーシェアハウスの構想は?

古市:色々な人が住んでいるけれど、リビングを共有して、
そこに子どもを呼んでセミナーをできたらと思っています。
海外のNGOとの繋がりもつくって、そこが海外との架け橋にもなればと。
現在も、兵庫県但馬にあるPTAで、
小学生から高校生を対象に講演をしています。
但馬のような地域は、都会と比べてある種の「教育格差」があります。
大学生が身近にあまりいないので、多様な「将来像」にふれられないという。
そこで、自分のカンボジアやフィリピンでの体験談を話すと、
子どもたちは非日常な世界にふれて、目が輝くんです。

ーーお仕事の傍ら、子どもたちの進路の選択肢を広げる活動をされているって
素晴らしいですね!
古市さんは「教育」と「グローバル」を掛け合わせた視点をいつも持たれていますね。
カンボジアなどでの体験談、ぜひ聴かせてください。

古市:大学時代、バックパッカーとしてカンボジアを訪ね、そこでの歴史を知りました。
今からおよそ30年前、カンボジアから学校が一掃されました。
当時のポルポト政権が、市民の反乱を防ぐために、
知識を身につけさせない政策を推し進め、
学校が刑務所に変わり、約170万人※が犠牲になったとされています(※人数は諸説あり)
一時的に「教育がゼロ」になったのです。
現在でも学校の数が足りず、孤児院の数が非常に多い国とも言われています。
現地では孤児院の先生を少しさせてもらったのですが、
カンボジアの道路やガソリンスタンドなどのインフラは
他国から輸入されたものがほとんどで、
自国で「ものを作る力」がないため、なかなか発展できない現状を目の当たりにしました。

ーー当時の爪痕は今も残っているのですね。
そうした現状を見て、どんな風に感じましたか。

古市:いずれは、他国からの援助に頼らず、
現地の人たちの力で生きていかなくてはいけないと知り、
「教育」は、すぐには効果をあげないかもしれないけれど、
国の未来をつくる土台なんだと気付いたんです。
たまたま、ある志の高い学生に現地で出会い、
彼が立ち上げた「カンボジアで学校を建てるプロジェクト」に
参加することにしました。
大阪の梅田で募金活動をおこない、
「カンボジアで苦しい生活が…」と呼びかけていたときに、違和感を覚えたんです。
「俺ってそもそも日本の最底辺の存在を知らないじゃないか」と。
そこで、ホームレスの方々の炊き出しの活動に行くようになり、
色々な地域の子どもセンターを訪ねました。
そこでも教育の必要性を痛感しましたね。

(後編につづく)
posted by メイリー at 20:49| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする