2013年05月25日

紛争解決のエキスパートを目指す file.8(前編)

片野田義人さん。
「紛争解決のエキスパート」をめざし、この秋から
カスピ海に面するアゼルバイジャン共和国の大学に進学する。
これまで国際協力ボランティアや、
日本のホームレス問題の解決を目指すHomedoorの活動などをおこなってきている。
どんなきっかけでこうした進路を目指すようになったのか。
その背景と今後の展望をぜひともお聞きしたいと思った。
そこで衝撃的な体験を聞くことになるのだが…。

☆☆☆☆☆

ーーアゼルバイジャンの大学を選ばれた理由が気になります。

片野田(敬称略):アゼルバイジャンは以前アルメニアと戦争をしており、
現在は停戦状態なのですが、まさに紛争の現場で学びたいと思って大学選びをしていました。
ルワンダも候補だったのですが、入学手続きが上手く進まず…。
アゼルバイジャンは近年、外交力アップを重視していて、東京にも大使館が置かれました。
外交官養成を目標に掲げ、大学の授業も充実しています。
大学を通じて審査を受け、外務省が出している奨学金を受けれるようになり、
授業料などを免除していただくことになりました。
留学先ではinternational studies(国際学)を研究する予定ですが、
私以外に日本人の留学生はいないとのことです。

ーーゆくゆくは外交官を目指したいというお気持ちがあるのですか。

片野田:今のところないですね。
紛争地で「紛争解決」「平和構築」のエキスパートになりたいと思っています。
国連以外にも、紛争解決を目指す組織は存在していて、
例えば西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)などがあります。
自分がやりたいメインの仕事は、現地のコミュニティーや軍隊、現場のNGOなど、
様々な関係者の調整・和平への交渉を進めることです。
立命館アジア太平洋大学での勉強や
スウェーデンへの交換留学などを経て、その思いが強まりました。

ーー紛争解決のエキスパートはいつ頃から目指されているのですか。

片野田:小学生くらいから漠然と興味がありました。
「なぜ世界で戦争が起こるのだろう?」なんて。
この職業について具体的に調べ始めたのは高校生になってからです。
日本紛争予防センター(JCCP)で事務局長をしている、
瀬谷ルミ子さんの「職業は武装解除」という本にも影響を受けました。

ーー小学生の頃から紛争問題に興味をもっていらしたのですね。
大学選びではどんな点を大事にされていましたか。

片野田:国際的な環境に身を置きたいと思って、立命館アジア太平洋大学を選びました。
英語と日本語の授業が両方開講されていますし、
キャンパスではもちろん、寮生活でも
多様な国々からの留学生と交流する機会に恵まれました。
英語に韓国語、中国語、マレー語、インドネシア語など、
様々な言語が飛び交っているのが普通でした。
留学生の友人がたくさんできたのですが、みんな勉強熱心で刺激を受けましたね。
自身も留学に必要なTOFLEの受験のために、
毎日英語の単語や文法の本を読む習慣がついていきました。

ーー留学生の方々に鼓舞され、充実したキャンパスライフを送られたのですね。
交換留学でスウェーデンを選ばれたのはなぜですか。

片野田:スウェーデンでは各大学で、平和構築の研究の実績がかなりあるんです。
1年行きましたが、貴重な経験ができましたし、今も交流が続いている友人もいます。
そこで、紛争地に近いところでもっと研究をしたいと思いましたが、
海外の大学に編入する前に実務経験を積もうと、帰国後に休学を決めました。

ーーどのような実務経験を積まれたのですか。

片野田:インターンシップに参加し、
NGOの気仙沼事務所とイラン事務所に派遣されていました。
前者では、気仙沼市にて子どもたちのサッカー教室の運営に携わったり
仮設住宅でイベントを実施したりしました。
後者では、イランに赴き、アフガン難民支援に携わりました。
アフガン難民の若者たちに、PCスキルを教えたりと、就労支援がメインでした。
NGOの裏も表も見ることができ、勉強になることばかりでした。
「紛争地で働きたい」という思いが
ますます現実的になったのがよかったですね。

ーー難民になっている若者たちの様子はどうでしたか。

片野田:大学に行きたいが、ままならない若者が多かったですね。
1970年代に当時のソ連がアフガンに侵攻し、そのときイランに逃げてきた人たちの
子孫にあたります。
アフガン難民の認定を捨ててイランの大学に行こうとするとお金がかかりますし
イランで働くとなると、ほぼ単純労働のような仕事にしか就くことができません。
リスクを犯して第三国に行くのか、アフガンに戻るのか…
いずれにせよ険しい道が彼らを待ち受けています。

(後編につづく)
posted by メイリー at 18:51| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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