2014年08月29日

一人一人の可能性を開花させるキャリアカウンセラー file.49(後編)


☆前編はこちら☆

ーー人生は、記憶を取り戻す旅なのですね。
こうした葛藤を抱えてきたこと、そして解放されたことは
キャリアカウンセリングにもつながっているような気がします。

早苗:そうですね。どんな悩みに対しても、その片鱗にふれられるというか、
人のつらさがわかることが多いですね。
自信をもてない気持ちや、よく見せようとして自分を見失っている状態とか。
自分もそうだったから「あぁ、この人の本当の心の闇はこれかな」というのが感じられたりします。

ーー見えすぎてつらい、ということはありませんか。

早苗:つらくなることはないですね。
相談者の悩みを解消するためにできる限りのことで関わりたいと思うんです。
カウンセリングにくる人や、相談してきた友人の悩みの本質がわかったからといって
すぐにアドバイスするわけではなくて、
その人自身が自ら理解されるフェーズやタイミングがあると思うので、
その時に言葉を届けるようにしたいと思っています。」
魔法をいつ使うかという感じでしょうか(笑)

ーーリクルートエージェントに転職されたのも、
早苗さんのミッションに自然と近づいていたのでしょうか。

早苗:転職はご縁に導かれた形でした。
リクルートエージェントに入ったのも、転職相談に行ったら
「キャリアカウンセラーに向いているから一緒にやりませんか?」と誘われ、
仲の良かった先輩に紹介されたのがきっかけでした。
そういえば就職活動時代からメールで他大学の学生の相談にのったり、
GAP時代でもアルバイトの学生の履歴書を添削したりしていたんです。
報酬を得られるかに関わらずついやってしまうことが天職であり、
命の使い道なんだと思います。

ーー命の使い道ですか。
キャリアカウンセラーをやっていて、やりがいを感じる瞬間ってありますか。

早苗:転職相談にくる方は「自分なんてダメ」と自責の念や
マイナスのオーラをもって訪れることが多いんです。
お相手の話に耳を傾けながら、その人が本来好きなものを一緒に見つけていき、
面談の最後には「私は本当はこれがやりたかったんだ!」と、パッと明るい表情で帰っていく。
その瞬間に立ち会えたときに、この上ない喜びを感じます。
日本の教育は減点法というか、人の足りないところやマイナス面を埋めようという方向に傾きがち。
ですが、私は「人はみんな素晴らしい」と思っています。
だって赤ちゃんって素晴らしいところしかないでしょう。

今までは、相談者の「傍を楽にする=働く」特徴を見つけるのが自分の使命だと思っていましたが、
最近は「自分を肯定的に見るサポート」をするのが使命だと思うようになりました。

以前、CDAの理事にお会いしたときに
「キャリアカウンセリングの本質はアドバイスやマッチングではない。
クライエントが自分を肯定的に見られるように一緒に歩んでいくことが根本だ。」と語っており、
まさにその通りだと思ったんです。
そんな思いで年間500名のキャリアサポートを8年続けていると、
人間の法則が見えてくるように感じます。

ーーそこからフリーランスになられたのはどんな経緯があったのでしょう。

早苗:2013年の3月まで生まれてきた理由を初めて真剣に考える新卒のポテンシャルの開花に関わりたくて、
京都ジョブパークで新卒の就職支援に関わりましたが、
就職支援の手法や組織へ違和感を抱いていて…。
今までの自分の経験ややりたいことに純粋に人生を選択してみようと4月からフリーランスになりました。
そんな時、full bloomの仲間となるメンバーと出逢い、
目指す方向性があまりにも似ているねと意気投合し
その夜のうちにfull bloomを結成しようという話になりました。
団体名には「一人一人、たった一度きりの人生を自分らしく咲き誇ってほしい」という4人の願いをこめました。

ーーその夜のうちにですか…!
full bloomではどんな活動をされているのですか。

早苗:大学生から30歳までがターゲットで、
「本音で話せる場」をつくり、参加者が自分を見つめ直すワークを行っています。
力を入れているのは「自分の個性と可能性の種を見つける1泊2日のBeing Camp」です。
「そもそもどんな子供時代だった?何が好き?」などと
自分の根本を初対面の仲間と見つめに行く2日間。
参加した人たちは、その後、人生を前向きにとらえて自分らしい道を歩き出していきます。
大学生向けのキャンプですが、若手社会人向けの内容も開発していこうと思っています。
「ありのままの自分にOKを出せる人生」を一人でも多くの人に送ってほしいという思いをこめて。

ワーク風景‗西尾早苗さん_up用.jpg

ーー社会人向けのキャンプができたらぜひ参加したいです。
早苗さんはしなやかで豊かな感性をお持ちだなぁと感じているのですが、
その感性はどんな風に培われたか教えていただけますか。

早苗:自然と接する中で培ってきた面が大きいでしょうか。
小さい頃から両親に海・山・川やアウトドアに連れて行ってもらいました。
社会人になってからはスキューバダイビングも。
生け花をしていた経験からも学ぶものが多かったです。
「この花は隣にある別の花を引き立てるためにある」とか
「枯れ葉すら美しさを秘めている」といったことを吸収する中で、
「側(がわ)ではなく自然そのものを観る」ようになり、
人間も自然の一部なんだと改めて感じるようになりました。
Being Campでも必ず自然に行く機会があるんです。
インスピレーションに従って自分を表すものを自然の中から拾ってくるというワークを行います。

ーー最後に、自分をなかなか肯定的に受け止められないという人に対して
メッセージをお願いします。

早苗:一番伝えたいメッセージは「一人一人が素晴らしい」ということ。
自分を解放し、自分のことを好きになれば、人に依存しなくても済むんです。
私は昔、心の隙間を誰かに埋めてほしいという感情を抱いていましたが、
本来、自分の心は自分で支えるものなんですよね。
自分の魂が喜ぶことに素直になって、ポジティブなコアの部分がつながり合う。
そんな未来をつくるお手伝いをしていきたいと強く思います。

☆☆☆☆☆

相談者と共に光の差す方向を目指していく強さが
早苗さんの表情や声にあふれていた。

両親のことを気にし続け、いい子でいなくては…と
自分の心の声を抑えてきた過去があるからこそ、
人一倍、人の心の闇に寄り添うことができ、
解き放たれた瞬間の喜びを分かち合おうと思えるのだろう。

「自分の魂が望むことをやっていると、障害はなくなっていく」
この言葉の重みが大きすぎて、インタビュー後は自己との対話をせずにはいられなかった。

どの人にも、何物にも代えがたい素晴らしさがあり、
生まれ持ったミッションがある。

そんな大切なメッセージを多くの人に親身に届けていく姿に、心を揺さぶられた。

早苗さんに、私がインタビューを始めた背景を語る中で
「インタビューを通して、自分の生き様を前向きにとらえることができ、
インタビュー記事を読んだ人も、多様な生き様を鏡にして、
自分らしい生き方を目指せるようになる」という理想の世界観を
言葉にしていくことができた。

心の扉を開かせてくれる魔法にかかったような時間。

早苗さんに出逢えてよかった。
相談者たちはきっと皆、そう思って、魂が喜ぶ道を切り拓いていくのだろう。
posted by メイリー at 23:42| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする