2014年11月15日

「共感を生む発信」の秘訣に迫る! file.56(番外編)

中村さん第二弾.jpg

インタビュー第52弾
登場していただいた、中村洋太さんを覚えているだろうか?
海外旅行情報誌の編集者と海外添乗員として活躍されている彼。

FacebookなどのSNSやブログで彼が発信する内容を拝見していて、
「なぜここまで共感してしまうのだろう?」という思いが強まった。
彼の活動や考え方自体が人の心を捉えるのはもちろんだが、
きっと「伝え方・発信方法」でも何か工夫されているからこそ、
私を含め、読者は共感し応援者になっていくのだろうと考えた。
発信するうえでの秘訣をぜひお聴きしたいと思い、2回目のインタビューへと発展した。

☆☆☆☆☆

ーー前回のインタビューでは、生い立ちや現在のお仕事についてお話を伺いましたが、
今回は中村さんの「共感を生む発信」の秘訣について迫りたいと思います。
そこでいきなりですが、中村さんは、ご自身の投稿をどのように分析されていますか?

中村洋太さん(以下敬称略):ぼくのFacebookの投稿は、いつも文章が長いですよね(笑)
よく友人に怒られます。「なげえよ」って(笑)
でも、ありがたいことに、多くの人が最後まで読んでくれるんです。
おまけに「共感しました」とわざわざ感想を言ってくれる人までいます。
その理由のひとつはきっと、「エピソード形式」で体験を伝えているからだと思います。

ーー「エピソード形式」ですか。

中村:起きた出来事の結論だけを書けば、文章は短く済みます。
でも結論だけ書いても、きっと共感って生まれないんですよ。その背景がわからないから。
人って、結果や出来事に共感するのではなく、その背景や過程に共感しているはずです。

例えば、「オーロラを見られました!」と一言だけ投稿したとしましょう。
それだけ読んでも、「へー、よかったね」で終わってしまいますよね。
でも、ぼくがオーロラに対してどういう想いを持っていたとか、オーロラを見るためには運が必要で、
正直今回はかなり可能性が低かったとか、小さい頃からの夢だったとか、
そういう背景部分をしっかり説明した上での、
「オーロラを見られました!」は深みが違うはずです。

共感を生むために必要なのは、「相手と目線の高さを揃えること」、
つまり「相手に自分と同じ景色を見てもらうこと」だと思うんです。
そうすると読み手にとってそれは、他人事ではなく、自分事に変わります。
心のどこかで、「もし自分が同じ状況だったら」「もし私が中村さんの立場だったら」と
想像してくれるんです。
共感のポイントって、他人の出来事に自分を重ねられるかどうか、にあるんですよ、きっと。

中村さんオーロラ.jpg

ーー具体的に、どうしたら読者と目線の高さを揃えられるのでしょう?

中村:出来事や行動、結果を書く前に、場面の状況や、その行動を取るに至った背景などを、
十分に説明することです。
「十分に」と強調したのは、この部分で多くの人が失敗しているなと感じるからです。
多くの人が、しっかりと説明をしないまま、出来事を書いてしまっています。
ぼく自身が投稿をするときは、論理関係が飛躍していないか気をつけながら、
何度も読み返して、書き直しています。
一段一段階段を上っていくように、読者と同じペースで、一緒に出来事を進めていく感覚です。
その書き方に失敗すると、「ん?この人はなんでこの場面でこういう行動を取ったんだ?」
と話の流れについていけなくなり、最後まで読まなくなってしまうんです。
これが共感を妨げる要因のひとつではないかと思います。
小学生でも理解できるくらい平易でわかりやすい文章を書く、というのも大切です。

目線を揃えることに成功すると、読者はまるで小説の主人公になったかのように、
あたかも自分がその出来事に直面しているように感じるんです。
だからエピソード形式の文章は共感を生むんだと思います。

ーーなるほど。私は先日読んだ このエピソード に共感しましたが、
そういわれてみれば、確かに情景が目に浮かぶようでした。
中村さんの身に起きた出来事なのに、なんだか自分が体験しているような。
これが同じ目線の高さで物事を見ているということなんですね。

中村:ありがとうございます。
まさにそれが、松尾さんの中で、自分事になっていたということです。
それと付け加えると、エピソードって嘘をつかないんですよ。

例えば、「私は行動力があります」なんて、書くだけなら誰だってできますが、
本当に行動力があるかどうかは、その発言からは読み取れません。
でも、実際に行動力を発揮したエピソードを紹介すれば、
わざわざ「行動力があります」なんて書かなくても、
読んだ人は「あ、この人は行動力があるな」ってわかってくれるじゃないですか。
だからエピソードで書くと、いやらしくなく自然な形で自分の人間性を発信することができます。

ーー人間性の発信、ですか。
Facebookの投稿で、そこまで意識している人はあまりいない気がします(笑)

中村:一貫性のある投稿を繰り返していると、徐々に人間性が浮き彫りになってきます。
すると、より共感されやすくなるんです。

ーーより共感されやすくなるのはなぜなのでしょう。

中村:それは読者が、自分のキャラをある程度理解してくれた上で、文章を読んでくれるからです。
だから、ある出来事が起きたときに、
「あ、中村さんなら、この場面でこういう行動を取るかもな」と予想ができる。
そして結果が予想通りなら、「中村さんらしいな。わかるわかる」となる。
それもひとつの共感の形です。
もちろん、そうした予想や共感は、ほとんど無意識に行われていることですけどね。
これはファンが生まれていく要因に似ていると思います。

ーーなるほど…。確かに中村さんは、ご自身の人間性がわかるような投稿をよくされていますよね。

中村:ぼくは、より生産的かつ創造的な世の中を構築するためには、
ひとりひとりが「人間性を発信する」ことが大切だと思っています。
難しいことではなく、「私はこれが好き」「私はこれが得意」とか、そんなことでいいんです。
自己PRは就活のときだけ取り上げられるから、なんとなくいやらしく感じる言葉かもしれませんが、
本来は大切なことです。
だから就活に限らず、みんな日々自己PRしていけばいいんですよ。
それは自分のためだけでなく、人のためにもなるんですから。

ーー人のためにもなる、とは?

中村:例えば、自分がワインについて知りたくなったら、
誰かワインに詳しい人に話を聞くのがいいじゃないですか。
そのときに、誰も何も発信していなかったら、
いったい誰がワインに詳しいのかわからない。
でも、いつもワインについて投稿している友達がいたら、
「あ、こいつに聞いてみよう」となる。
そしたら、お互いにハッピーだと思うんです。
ぼくはワインについて知れて、そいつは大好きなワインの知識で他人に貢献ができて。
そうした生産的なマッチングが当たり前のように起きるようになったら、
世の中はもっと楽しくなるんじゃないかって。

そんな世界の実現を目指しているので、まずは自分が率先して発信し、
発信することの魅力を伝えていきたいです。
最近、自分の周りで、少しずつ「人間性を発信」する友人が増えてきたので、
良い方向に進んでいると思っています。

――素晴らしいですね。
そもそも中村さんにとって、発信することが大事だと思うようになったきっかけはありますか。

中村:きっかけは大学3年生の夏ですね。
ぼくはその夏休みに、自転車で西日本を一周すると決めていたんです。
でも、それはぼくにとって初めての一人旅だったので、両親にとても心配されました。
だけど、毎日旅先から「今ここにいます。元気です」なんて
親にメールをするのも面倒くさいじゃないですか(笑)
だから、旅に出る数日前にブログを開設することにしたんです。
ブログなら旅日記を書けるし、同時に両親や友人への報告にもなると思って。

「発信する」なんていう意識は全然なく、
ただ、「ツール・ド・西日本 第4ステージ 今日は彦根から京都まで、何km走りました。
途中でこんな人との出会いがありました。こんなきれいな風景を見られました」とか、
その程度のことしか書いていなかったんです。
でも、ブログって誰でも読むことができるから、
「なんか面白い大学生がいる」みたいな感じで、話題になったみたいなんです。
日に日にアクセス数は増えていき、
知らない人から「応援しています!」というコメントをいただいたりして、ブログって面白いな〜と思って。
だから、こちらも期待に応えようと、頑張って毎日書きました。

1カ月間の旅を終えたときに、知らない女性(おそらく30〜40代の方)から、
ブログにメッセージをいただいたんです。
「実はあなたのブログを読んでいました」っていう書き出しで。

「中村さんの挑戦を見ていて、私にも、知らず知らずのうちに諦めてしまっていた夢があったことを思い出しました。
ですが、もう一度夢に挑戦してみようと思いました。ありがとうございました」
ということが書いてあって、嬉しいと感じるよりも先に、びっくりしたんです。
ぼくは誰かを励まそうとか、感動させようとか思って旅をしていたのではなく、
ただ好きなことに挑戦して、体験したことを好きなように書いていただけなんですから。
だけど結果として、それで誰かを感動させていた。
発信の大切さを感じたのは、多分このときでしょうね。
自分の発信が、誰かの役に立っているのだということを、見知らぬ女性に教えていただきました。
だから今もぼくは、人のためにとかはあまり考えず、遠慮なく好きなことを好きなように発信しています。

ーー今後の発信も楽しみにしています!
ところで、冒頭で「共感を生む秘訣のひとつは、エピソード形式で書くこと」
と話していましたが、もしかして他にも秘訣があるということですか?笑

中村:あ、鋭いですね(笑)
おっしゃるとおり、実はもうひとつ秘訣があるんですよ。
自分では「9割理論」と呼んでいますが、これもまた、共感を生む文章に欠かせない要素だと思います。
ですが話が長くなってしまうので、また次回にしましょう笑

ーー「9割理論」とは、いったい?
次回のインタビューがますます楽しみです。本日はありがとうございました。
posted by メイリー at 22:27| インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする