
吉田綾子さん。
ブライダル業界の人事として約4年採用に関わり、現在研修担当になって2年半になる。
「吉田さんの研修を受けたからこれから頑張れる」といった声が後を絶たない。
CTI でコーチングの応用コースを修了し、プライベートで就活生の就職相談にのることもあるという。
人の成長を支援することへの情熱は天下一品。
彼女はどんな思いで支援に関わり、
今後どんな風に活動のフィールドを広げていこうと考えているのだろうか。
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ーー研修担当としてどんな業務に関わっているのですか。
吉田綾子さん(以下敬称略):内定者や新入社員の研修から管理職研修まで担当しています。
研修内容の企画に携わる期間が意外に長く、
会社の上層部から研修のターゲットと狙いをヒアリングし、
研修内容や、必要に応じてテキストを内製します。
特に力が入るのは新卒の新入社員研修。
最初の研修は、彼らの人生が変わるくらいの影響力があると思っています。
「初めて入った会社で何を教わるかが社会人人生を変える」という上司の言葉が心に残っており、
新入社員たちと接するときの言葉一つ一つを慎重に選ぶようにしています。
実際、新卒の子たちが1年で見違えるほど成長するのを目の当たりにすると、
人の可能性の無限さを感じます。
例えば、入社当初は自分と相容れない価値観を受け止めるのが苦手だった男性が、
研修で「人の話を聴く」大切さを学び、
2年目研修では「みんなのおかげで自分は成長できる」と発言するまでに成長しました。
涙が出るほど嬉しかったですね。
ーー大きな変化が起こったのですね。
元々、研修や育成に興味があったのですか。
綾子:具体的にやりたいと思ったのは採用に関わってからですね。
「彼らがどんな風に成長していくかを見たい」という思いが強まりました。
長女だったこともあり、物心ついたときから人のお世話が大好き。
弟と妹がいるんですが、妹とは11歳離れていて。
ーー小さい頃はどんな子だったのですか。
綾子:自由に育てられましたね。
自分で「こうしたい」という意志が明確で、
特に道を外さないからか親も心配なく任せていたようです。
小5から美化委員会の活動に命を懸けていました。
やりだすとのめり込むタイプなんです(笑)
中学でも美化委員会に入り、誰に言われたわけでもないのに
「掃除新聞」を発行して全学年に配ったり、
学期末の大掃除後、掃除道具を収納する部屋を徹底的に掃除したりしていました。
ーー美化委員の鑑ですね! 自らそこまでやれたのは何があったんでしょう。
綾子:褒められたいというより「やっている自分ってスゴイ!」
「他の人がやる水準を越えたい」という気持ちが原動力だったのだと思います。
中学の部活でクラリネットを始めてからも、
エリアごとの有志が集まる吹奏楽団に参加しましたし、
引退後もこっそり部室で練習していました。
部長をやっていたときは、練習量を増やして、
初めてコンクールに参加できるようになったという思い出も。
みんなで一つの音楽を奏でることが好きでしたし、
みんながやる気を出して楽しく過ごしてもらいたいという気持ちが強くありました。
合唱祭という学校行事でも必ずピアノの伴奏をやっていました。
「吉田さんお願いね」と言われると嬉しいし、少し特別感がありますよね。
単なる目立ちたがり屋とも言えるんですが(笑)
ですが、誰よりも早く部室に行って誰よりも多く基礎練をしていたので根っこに自信はありました。
ーー特別でいることって、憧れの存在として見られることも、
羨ましがられることもあるのかなと思ったのですが、そこはどうでしたか。
綾子:特に反感をもたれたことはなかったですね。
ただ、小学校のときに一度、クラスの女子のボス的な子に無視されたことがあり、
かなりのショックを受けました。
無視されていた友人をかばって反論したのが、彼女は気に食わなかったみたいで。
これまで嫌われたことなんてなかったのに…。
それ以来、人を褒めたり鼓舞したりすることはできるけれど
人を叱ったり、人とぶつかったりすることが苦手になってしまったんです。
ーーそんなことがあったのですね。
大学生の頃はどんな風に過ごされていましたか。
綾子:入学当初はボート部に所属していました。
スポーツをずっとやってみたかったのですが、苦手意識があり、
大学から始められるスポーツを探していたら、ボート部はとってもアットホームな雰囲気で。
筋肉モリモリの先輩方とともに、平日も合宿所に泊まりこみで
朝4時に練習して夜9時には寝るという日々でした。
充実していたけれど体力的にもハードで、1年で辞めることに決めました。
このときは、ただただつらくて、逃げたい一心でしたね。
今思うと自分の弱い部分だったなぁと思います。
その後しばらくは授業とバイトを普通にこなす日々を送っていました。
ーー綾子さんといえば行動力のすごさにいつも驚きなのですが、
ターニングポイントはいつあったのですか。
綾子:ターニングポイントは就活の時期です。
大学3年頃、就活支援の学生団体の活動に誘われ、
そこで初めて「自分の内面に向き合い、未来を描く」というワークを経験し、
超楽しい!!と、心が躍りました。
大学4年生の内定者が、就活に役立つ情報や熱い想いを1冊の分厚い本にまとめてくれて、
「人を動かす熱さ」に圧倒されたのを今でも覚えています。
就活に真剣に向き合っている人ってカッコイイんだなぁって。
それを機に色んな人に会いに行くようになり、
ベストセラー『鏡の法則』の著者である心理カウンセラーにもインタビューしにいきました。
一番印象的だったのは「どんな出来事にも意味がある」という「必然の法則」。
人生って思っているよりラクなんだなという気づきを得ました。
モノの捉え方次第で人生が変わるんです。
☆後編につづく☆