最近はジャズのヴォーカルとしてバンドでのライブ活動でも
活躍されている綾子さん。
ステージでは普段と違う顔を見せている。
一度聴くと忘れられない魅力的な歌声とともに。
☆前編はこちら☆
ーー就活に真剣に向き合う人たちから大きな影響を受けたのですね。
ブライダル業界を志望された理由は何だったのでしょう。
綾子:ウェディングプロジューサー(プランナー)は、人生の大事な節目をサポートする仕事。
誰でも代替できるものではありません。
「吉田さんに頼みたい」を選んでもらえるプロジューサーになりたいと思っていたんです。
結婚式って親への感謝の気持ちを表す日でもありますし、
家族や人の絆がすごく好きなんです。
人生の一大イベントに関わる達成感というのは、
吹奏楽部での指揮者や、文化祭の劇の監督としての経験と通じるものがあると思います。
自分の得意分野でスポットライトを浴びたいと思っていました。
背景には、「登場人物Aでいたくない。
自分ならではの役を全うしたい」という思いがあります。
ーー現在の会社との出会いはどうでしたか。
綾子:実を言うと就活当時はそこまで志望度も高くなかったんです。
他のブライダルの会社は全て落ちてしまって…。
でもそれは「必然」だったんだと今では思います。
プロジューサー志望だったのに1年目から採用担当になって驚きましたね。
採用面接で「いずれは組織を良くしていきたい」と述べたのが関係したのかもしれません。
自分が属している組織のことを好きでいたいし、
他の仲間にも好きだと思ってほしいというのがあるから。
ーーコーチングを学ばれて、
綾子さんの中にどんな変化がありましたか。
綾子:コーチングの勉強は、自分の考え方のクセと向き合う貴重な時間でしたね。
ありのままの自分を受け入れるトレーニング期間だった。
「自分らしさ」という言葉は、一見、自分を大切にしているようだけれど、
一歩使い方をまちがえると「鎧」になってしまうんです。
「私はこうでなければならない」とレッテルを貼ることになるから。
本当は「私がやりたいか、やりたくないか」が大事。
そうすれば、その人が得たいものを得られやすくなるし、
より豊かな人生を送ることにつながると思っています。
こうした気づきを、仕事の研修やプライベートでも伝えていきたいと思っています。
クセって人から言われても、本人が腹落ちしないとなかなか変えるのは難しい。
実は、私も自分のダメなところを見るのは怖いんです。
未だにガードしてしまいますね。
でもまずは、直したほうが自分もラクに生きられると気づくことが大事。
これまで、言いづらいことを、その人のためを思って指摘するのは苦手でした。
でもコーチングを学んで自分を開放していくうちに、
相手のために必要だと思ったことは、ちゃんと伝えるようになってきたと思います。
一人では修正しにくい部分を変えていくには、
周囲の人の愛情と時間が不可欠だと思うので、
接する人たちにそうした愛を注げる自分でいたいですね。
ーークセに気づいて直していくのを支援してくれる人が
身近にいたらとても心強いだろうなぁと思います。
綾子さんのバイタリティーはプライベートでも感じています。
現在はジャズのバンド活動されているんですよね。
綾子:ずっと歌いたいという気持ちがあり、バンド活動開始に向けて
ボイストレーニングをこの10月まで2年間やってきました。
2013年以降、大きな変化が起きています。
研修担当になったことや初の一人暮らし、ボイトレ、そしてコーチング。
これらが絡み合って私の人生に台風を巻き起こしたと思っています。
ーー今後やりたいことやビジョンは何ですか。
綾子:実は今のところ、具体的にこれをやりたいというのはないんです。
目の前のことに集中する時期なのかもしれません。
ただ、これから後輩が初めてでき、ダイレクトに育成に携われるのでワクワクしています。
これまで自分の専門分野を極める願望の方が強かったのですが、
7年目の今、マネジメント経験をもっと積みたいという思いが湧いています。
管理職研修に携わることで、マネジメントの可能性を感じたためです。
「人の成長や変化を支援する」という軸は今後も変わらないと思います。
実現の場所や仲間が未定なだけであって。
以前は「自分がスポットライトを浴びたい」と思っていましたが、
今は「人にスポットライトを当てたい」という気持ちが生まれているんです。
ーー根本の軸は変わらないけれど、具体的な内容は未定。
あえて色んな可能性を大事にされているのでしょうか。
綾子:確固とした具体的なビジョンをあえて置かないことで、
先が見えない分、何でも目指せるという楽しさもあるんです。
「先が見えない」と悩む人は多いので、こういう考え方も伝えたいなぁって思います。
☆☆☆☆☆
彼女と初めて会ったのは1年半前のこと。
初対面と思えないくらい人懐っこく、太陽なようにはじける笑顔。
情熱と人一倍の努力に裏付けられた自信、そして接する人たちへの深い愛情に心を揺さぶられ、
瞬く間にファンになってしまった。
今ではかけがえのない大事な友人の一人であり、
尊敬してやまない「お姉さん」的な存在である。
彼女の研修を受けた社員の方々も、彼女の溢れ出る情熱に魅了されていることだろう。
研修にこめられた渾身のメッセージにふれることで、
自己との対話が促され、成長のチャンスをつかんでいるのではないだろうか。
「自分らしさ」という言葉は、使い方を間違えると「鎧」になってしまう。
この言葉にはっとさせられた。
私もこの言葉で自分を守ったふりをして自分を縛っていたのでは?と気づいたためだ。
こうした鎖を解き放つのは時間と根気がかかる。
しかし、綾子さんのような強力なサポーターがいれば、
いずれ自分の力で変化して歩んでいける人がもっと増えていくと信じている。